WEB版GRANJAPON PRESS~8月1日号~

 

グランジャポンスタッフがスペインにまつわるあれこれをお伝えするコラムコーナー。
テ・コンミエルを飲みながらのリラックスタイムのお供にいかがでしょう?

MasaのSpain is different Vol.6

【この人を見よ】

 

「エクセ・ホモ(ecce homo)」はラテン語で、「この人を見よ」を意味する。
芸術の世界でエクセ・ホモは、キリストの受難や生涯を描いた重要な場面であり、
多くのキリスト教芸術の題材として用いられている。

1910年、スペインの画家、エリアス・ガルシア・マルティネス氏も「エクセ・ホモ」の題名でフレスコ画を描いていた。
スペインアラゴン州サラゴサ県の静かな町、ボルハ市にある教会の柱に描かれており、この作品は特に注目を浴びることはなかった。
しかし、ある予期せぬ出来事から、世界中のメディアから特集で取り上げられるほど有名になった。
日本でもバラエティー番組などで何度も取り上げられ、特ネット上ではこの肖像画をネタに「お祭り騒ぎ」が起きていた。

100年以上前のフレスコ画は、年月が経つにつれ風化して行き、傷みが目立ち始めた。
絵画修復に手を挙げたのは素人である82歳の女性、セシリア・ヒメネスさん。

彼女が善意で修復を試みた結果がこちら。



初めは、オリジナルと似ても似つかないとして地元住民から苦情が殺到した。
しかしながら、この騒動がもたらした良い経済的な効果は現実で、修復後の作品に愛着を持つ人も非常に多かった。
「世界最悪の修復」というレッテルの元、変貌してしまったキリストの肖像画を見ようと、ボルハ市を訪れる人々が数百人規模に急増している。それに便乗し、フレスコのプリントTシャツ、クレープ、グッズなどが次々販売され、フレスコをそのままの状態にしておくようオンライン嘆願書には、既に1万8000人もの署名が集まっていた。ネットの画像検索エンジンに「ecce homo」と書いても上位は全てこの画像である。

さて、一夜にして有名になったセシリア・ヒメネスさんは現在個展も開き、
修復途中であったフレスコの絵が本来どのように終わらせる予定であったかの完成版を発表するなど、活動を行っている・・・